「残業40時間で辛いのは甘え」と言われたことがあるあなたへ。
そんなことを言われ続けると、
と不安になったり、自分を責めてしまったりすることもあるかもしれません。
周りが当たり前のように残業していると、なかなか「辛い」って言い出しにくい雰囲気もありますよね。
でも、ちょっと待ってください。月40時間の残業って、冷静に考えてみると、決して短い時間ではありません。
毎日コンスタントに2時間近くの残業が続いている計算になります。プライベートな時間が削られ、心や体に少しずつ疲れが溜まっていくのは、ごく自然なことなんです。
この記事では、「残業40時間で辛い」というあなたの気持ちが決して「甘え」ではない理由、そして、もし今の状況を変えたいと感じているなら、どんなことができるのかを一緒に考えていきたいと思います。
一人で抱え込まず、まずは肩の力を抜いて読んでみてくださいね。きっと、心が少し軽くなるヒントが見つかるはずですよ。
【体験談】「残業40時間で辛いなんて甘え」と言われた私が感じていたこと
今は自分に合った職場で働けていますが、以前勤めていた製造業の会社では、まさに「残業40時間で辛いなんて甘えだ」と言われる環境にいました。
あの頃のことを思い出すと、今でも胸がキュッと締め付けられるような気持ちになります。
私がその会社に入社したのは、新卒で2年前のことでした。
事務職として採用され、面接では「うちは残業はほとんどないからね」と笑顔で言われたんです。
それを聞いて、「ここでなら、仕事もプライベートも大切にしながら働けるかも!」と期待に胸を膨らませていました。
でも、現実はまったく違いました。
入社してすぐに、定時で帰れる日なんてほとんどないことに気づいたんです。
毎日、時計の針が19時、20時を指すのは当たり前。
事務所には、私を含めた数人の事務員がカタカタ…とパソコンを打つ音だけが響いていて、窓の外はいつも真っ暗でした。
「今日もか…」と心の中でため息をつく毎日。
毎月、気づけば残業時間は40時間を超えていました。
正直、体力的にも精神的にもキツかったです。
仕事が終わって家に帰ると、もうクタクタ。
夕食を食べる気力も残っていなくて、お風呂に入って寝るだけ。
休日は、平日の疲れを取るためにひたすら寝て過ごす…そんな生活でした。
一番辛かったのは、先輩や上司から「残業40時間くらいで辛いって言うなんて、甘えてる証拠だよ」「もっと大変な思いをしてる人はたくさんいるんだから」と言われたことです。
確かに、入社1年目の頃は、仕事のスピードも遅くて、周りに迷惑をかけている自覚もありました。
だから、「私が未熟なせいだ」「もっと頑張らなきゃ」って自分に言い聞かせて、サービス残業にも文句一つ言わずに働いていたんです。
でも、2年目になっても状況は一向に変わりませんでした。
仕事にも慣れてきて、それなりに効率よくこなせるようになったはずなのに、残業時間は減るどころか、むしろ増えているような気さえしました。
「残業ほとんどないって話だったのに、全然違うじゃない…」
「いつまでこのサービス残業が続くんだろう?」
そんなモヤモヤした気持ちが、日に日に大きくなっていきました。
求人内容や面接での言葉を信じて入社したのに、裏切られたような気持ちでいっぱいでした。
「辛い」と感じることは、本当に「甘え」なんだろうか…?と、自問自答する日々は本当に苦しかったです。
このままじゃ、心も体も壊れてしまう。
そう本気で感じた私は、勇気を出して退職を決意しました。
転職活動は少し大変な時期もありましたが、今は残業もほとんどなく、仕事に見合ったお給料をいただける会社で働けています。
あの時、「辛い」という自分の気持ちを無視せず、環境を変える決断をして本当に良かったと思っています。
残業40時間で辛いのは甘えではない理由
「残業40時間で辛いなんて甘えだ」と言われてしまうと、自分の感覚がおかしいのかな?と悩んでしまいますよね。でも、決してそんなことはありません。
月40時間の残業は、客観的に見ても決して楽なものではなく、辛いと感じるのにはちゃんとした理由があるんです。ここでは、なぜそれが甘えではないのか、以下の3つの理由について詳しく説明していきますね。
月40時間の残業は、法律で定められた時間外労働の上限に近く、心身への負担も大きくなり、プライベートな時間を確保することも難しくなります。これらの理由から、「辛い」と感じるのは当然の反応であり、決して甘えではないのです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
そもそも労働基準法の上限に近いから
月40時間の残業を辛いと感じるのは、決して甘えではなく、むしろ当然の感覚です。なぜなら、この時間は労働基準法で定められた時間外労働の上限に非常に近い数字だからです。
法律では、特別な事情がない限り、時間外労働は原則として月45時間、年360時間までと定められています。月40時間というのは、この上限ギリギリのラインであり、決して「短い」「当たり前」と言えるような時間ではありません。
- 毎日コンスタントに約2時間の残業が発生している状態
- 特定の繁忙期だけでなく、年間を通して常態化している
- 会社によっては「残業40時間なんて普通」という雰囲気が醸成されている
法的な基準で見ても月40時間の残業は決して軽いものではありません。「周りもやっているから」「これくらい普通だ」と思い込んでしまうかもしれませんが、法律で上限が定められているということは、それ以上は労働者の心身の健康に影響を及ぼす可能性があると国が認めている証拠なのです。
月40時間の残業を辛いと感じるのは、ごく自然なことだと言えます。
心身への負担が無視できないレベルだから
月40時間の残業が辛いと感じるのは、心身への負担が無視できないレベルに達しているサインかもしれません。長時間労働は、知らず知らずのうちに私たちの心と体に深刻なダメージを与えます。
十分な休息が取れなければ疲労はどんどん蓄積し、集中力や注意力の低下を招くだけでなく、精神的な余裕も失われていきます。「まだ大丈夫」と思っていても、体は正直です。
- 朝起きるのが異常に辛く、日中も強い眠気を感じる
- 以前は簡単にできていた仕事でミスが増えたり、時間がかかったりする
- 食欲がなくなったり、逆に過食気味になったりする
- 寝つきが悪くなったり、夜中に何度も目が覚めたりする
- ちょっとしたことでイライラしたり、理由もなく涙が出たりする
これらは、過重労働によるストレスが引き起こす典型的な症状です。このような状態が続けば、うつ病などの精神疾患や、過労死につながるような深刻な健康障害を引き起こすリスクも高まります。
ですから、月40時間の残業で「辛い」と感じるのは、体が発している危険信号であり、決して甘えなどではないのです。自分の心と体を守るための、大切な感覚だと言えるでしょう。
プライベートな時間が確保できないから
月40時間の残業を辛いと感じるのは、仕事によってプライベートな時間が奪われてしまっているからです。仕事はもちろん大切ですが、私たちの人生は仕事だけで成り立っているわけではありません。
自分の好きなことや、大切な人と過ごす時間があってこそ、心は満たされ、明日への活力が湧いてくるものです。しかし、月40時間もの残業が常態化すると、そうした時間を確保することが極めて困難になります。
- 趣味や習い事、自己投資のための勉強時間が全く取れない
- 友人からの誘いを断ることが増え、次第に疎遠になってしまう
- 家族との夕食の時間に間に合わず、コミュニケーションが不足する
- 平日は仕事と寝るだけで終わり、休日は疲れを取ることに専念してしまう
- 常に仕事のプレッシャーを感じ、心からリラックスできる瞬間がない
このように、仕事以外の生活が犠牲になる状況は、精神的なストレスを増大させます。ワークライフバランスが崩れ、「何のために働いているんだろう?」という虚しさや、自分の人生をコントロールできていない感覚に陥ってしまうことも少なくありません。
プライベートな時間を確保できない月40時間の残業を「辛い」と感じるのは、人間としてごく自然な感情なのです。
残業40時間で辛いのは甘え?と悩んだ時の解決策
月40時間の残業を「辛い」と感じることは、決して甘えではありません。むしろ、心と体が発している大切なサインかもしれません。
そんな時は、状況を変えるために行動してみることが大切です。ここでは、具体的な解決策として以下の3つのステップについて説明していきますね。
まずは現状把握のために周りの意見を聞き、それでも改善が難しい場合は転職活動、そして最終手段として退職も視野に入れる、という流れで考えてみましょう。大切なのは、一人で抱え込まずに行動を起こすことです。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
信頼できる人に相談して客観的な意見をもらう
まずは、信頼できる人に相談して、客観的な意見をもらうことから始めてみましょう。なぜなら、一人で悩んでいると「やっぱり自分が甘えているだけなのかも…」とネガティブな思考に陥りやすく、視野が狭くなってしまうことがあるからです。
周りの人に話を聞いてもらうことで、自分の状況を冷静に見つめ直し、「残業40時間で辛いと感じるのは当たり前なんだ」と再認識できるかもしれません。また、具体的なアドバイスや共感を得ることで、精神的な負担も軽くなります。
- 社内にいる信頼できる先輩や、話しやすい別部署の上司に現状を打ち明けてみる。
- 学生時代の友人や家族など、社外の親しい人に話を聞いてもらい、一般的な感覚と比べてどうか尋ねてみる。
- もし労働組合があれば、組合の担当者に相談して会社側の問題点などを指摘してもらう。
- 労働基準監督署に設置されている総合労働相談コーナーなど、公的な機関に匿名で相談してみる。
- キャリアコンサルタントなどの専門家に相談し、プロの視点から客観的なアドバイスや今後の選択肢について助言をもらう。
このように、社内外問わず、様々な立場の人に相談することで、多角的な視点から自分の状況を捉え直すことができます。「辛い」と感じているのは自分だけではないこと、そして決して「甘え」ではないことを確認できるはずです。
一人で抱え込まず、まずは誰かに話してみることから始めてみましょう。
新しい環境を探すために転職活動を始めてみる
社内外への相談や働きかけを行っても状況が改善されない場合や、すでに心身に不調を感じ始めているなら、新しい環境を探すために転職活動を始めてみることをおすすめします。なぜなら、今の辛い環境に無理して留まり続けることは、あなたの心と体の健康をさらに損なうリスクを高めてしまうからです。
転職活動を始めることで、より自分らしく働ける場所を見つけられる可能性がありますし、活動を通じて自身の市場価値や本当にやりたいことを見つめ直す良いきっかけにもなります。今の会社が全てではありません。
- まずは気軽に転職サイトに登録し、どのような業界や職種で求人が出ているのか情報収集をしてみる。
- これまでの仕事内容や実績、身につけたスキルを具体的に書き出して、キャリアの棚卸しを行う。
- 残業時間、給与、福利厚生、企業文化など、自分が次の職場に求める譲れない条件をリストアップする。
- キャリアの棚卸しと希望条件をもとに、履歴書や職務経歴書といった応募書類の作成を進める。
- 現職が忙しくて情報収集や面接日程の調整が難しい場合は、転職エージェントに相談してサポートを受ける。
転職エージェントは、求人紹介だけでなく、応募書類の添削や面接対策、企業との条件交渉なども代行してくれるため、忙しい中でも効率的に転職活動を進めることができます。「残業40時間は当たり前」ではない会社はたくさんあります。
現状を変えるための一歩として、まずは情報収集からでも転職活動を始めてみることを検討してみてください。
心身を守るために退職を選択肢に入れる
様々な努力をしても状況が改善せず、心身ともに限界を感じているのであれば、最終手段として思い切って退職することも真剣に検討しましょう。なぜなら、あなたの健康は何よりも優先されるべき大切なものだからです。
「甘えだ」という周囲の声や罪悪感に縛られて、自分自身を追い詰めてしまう必要は全くありません。心や体が壊れてしまっては、働くこと自体が困難になってしまいます。
一度立ち止まって休息し、自分を大切にする時間を持つことが、結果的に将来のキャリアにとっても良い選択となる場合があります。
- 退職後の生活費がどのくらい必要かシミュレーションし、失業保険の受給資格や手続きについて事前に調べておく。
- 法律に基づいた退職の意思表示(一般的には退職希望日の1ヶ月~2週間前)の準備として、退職届を作成しておく。
- 後任者への業務の引き継ぎリストを作成し、可能な範囲でマニュアル化を進め、円満な退職を目指す。
- 上司からの強い引き止めに合ったり、パワハラなどで直接退職を言い出すのが精神的に非常につらい場合は、退職代行サービスの利用を検討する。
- 退職後はすぐに次の仕事を探すのではなく、必要であれば一定期間の休息期間を設け、心身の回復を最優先する計画を立てる。
退職は大きな決断ですが、自分を守るための前向きな選択肢の一つです。特に、上司との関係性が原因で退職の意思を伝えられない、あるいは退職交渉が難航しそうな場合は、退職代行サービスが心強い味方になってくれます。
専門家があなたに代わって会社とのやり取りを行ってくれるため、精神的な負担なくスムーズに退職手続きを進めることが可能です。自分自身を大切にする決断をしてくださいね。
【Q&A】残業40時間で辛いのは甘え?と悩んだ時の疑問に回答
ここでは、「残業40時間で辛いのは甘えなのかな?」と悩んだ時に多くの人が感じる疑問について、分かりやすく回答していきますね。
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
そもそも月40時間の残業って、客観的に見てどうなの?
月40時間の残業は、客観的に見て決して少ない時間とは言えません。
労働基準法では、時間外労働の上限は原則として月45時間と定められています。
つまり、40時間という数字は、法律で定められた上限に近い水準なんです。
もちろん、業界や職種によって残業時間の平均は異なりますが、「過労死ライン」と呼ばれる月80時間には満たないものの、心身への負担はじわじわと蓄積していくレベルと考えられます。
毎日コンスタントに2時間程度の残業をしている計算になるため、プライベートな時間を確保することも難しくなりがちです。
「辛い」と感じるのは自然なことですよ。
「残業40時間で辛いのは甘え」って言われたら、どう考えればいい?
「甘えだ」という言葉は、言われた側にとってはとても辛いですよね。
でも、その言葉に惑わされる必要はありません。
残業に対する感じ方は人それぞれですし、体力やストレス耐性も個人差があります。
また、その会社の文化として長時間労働が常態化している場合、「40時間くらい普通」という感覚が麻痺してしまっている可能性もあります。
大切なのは、周りの声よりも自分自身の心と体の声に耳を傾けることです。
「辛い」と感じているなら、それは紛れもなくあなた自身の正直な感覚です。
決して甘えではありませんよ。
残業が辛い時、まず最初に何をすればいいの?
残業が辛いと感じたら、まずは一人で抱え込まずに、現状を整理してみることが大切です。
具体的にどのくらいの時間残業しているのか、どんな業務に時間がかかっているのかを記録してみましょう。
客観的なデータがあると、状況を把握しやすくなります。
その上で、信頼できる人に相談してみるのがおすすめです。
社内の先輩や上司、あるいは社外の友人や家族、公的な相談窓口でも構いません。
話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になりますし、客観的なアドバイスをもらえることもあります。
まずは状況把握と相談から始めてみてください。
残業代が出ない(サービス残業)のは、やっぱりおかしいよね?
はい、残業代が支払われない、いわゆる「サービス残業」は、労働基準法に違反する可能性が非常に高いです。
法律では、法定労働時間(原則1日8時間、週40時間)を超えて働いた場合には、割増賃金(残業代)を支払うことが義務付けられています。
「仕事が終わらないのは自己責任」「みんなやっているから」といった理由でサービス残業を強要することは認められません。
もしサービス残業が常態化している場合は、労働基準監督署などの専門機関に相談することも考えてみてください。
働く人の正当な権利として、残業代は支払われるべきものです。
どうしても今の会社が辛い場合、辞めてもいいのかな?
もちろんです。
どうしても今の会社が辛く、心身に不調を感じるほどであれば、退職することも大切な選択肢の一つです。
仕事は生活のために重要ですが、あなたの健康は何よりも優先されるべきものです。
「甘えだ」「迷惑がかかる」などと考えて自分を追い詰める必要はありません。
心や体が壊れてしまう前に、環境を変える決断をすることは、決して逃げではありません。
自分自身を守るための前向きな行動だと捉えてください。
休職したり、転職したりすることも含め、無理のない範囲で自分に合った道を探していくことが大切ですよ。
【まとめ】「残業40時間で辛いのは甘え?」と悩んでいるあなたへ
「残業40時間で辛い」と感じるのは、決して甘えではありません。
むしろ、それはあなたの心と体が発している大切なサインなんです。
法律で見ても月40時間は決して短い時間ではなく、心身への負担も無視できません。
周りの声に惑わされず、まずはご自身の正直な気持ちを大切にしてくださいね。
もし今の状況が苦しいなら、信頼できる人に相談したり、転職活動を始めてみたり、思い切って退職を考えたりと、環境を変えるための行動を起こすことも考えてみましょう。
一人で抱え込まず、勇気を出して一歩踏み出すことで、道が開けることもあります。
あなたが自分らしく、心身ともに健康に働ける場所は必ずあります。
焦らず、ご自身のペースで、より良い働き方を見つけていってくださいね。